突き指の応急処置と受診の目安|引っ張らない・揉まないが今の基本

突き指の応急処置と受診の目安|引っ張らない・揉まないが今の基本 手関節

バレーボールやバスケットボール、ドッジボールなどで、ボールが指先に当たってしまうことはよくあります。
「突き指でしょ、そのうち治るよ」と声をかけたことはありませんか。
この記事では、日本整形外科学会や日本手外科学会などの資料をもとに、突き指の応急処置と、病院に行く目安をまとめます。

この記事のポイント

  • 突き指は、骨折や脱臼、腱・靭帯の損傷などを含む「指のけがの総称」
  • 昔は「引っ張る」「揉む」と言われたが、いまの応急処置はRICE処置と固定。
    自分で整復しない
  • 指が曲がったまま伸ばせない、変形、強い腫れや痛みがあれば整形外科へ

突き指ってどんなケガ?

日本整形外科学会の説明では、突き指は、ボールなどで指先を突き、指に大きな力が加わって起こる指のけがの総称とされています。
症状は、指の腫れ、痛み、動かしにくさなどです。

「放っておけばそのうち治る」と軽く考えられがちですが、突き指には、骨折、脱臼、腱や靭帯の断裂などが含まれることがあるとされています。
中には、すぐに手術が必要になることもあるそうです。

見分けるヒント:こんな様子はないですか

見た目だけで、軽い突き指か骨折かを判断することはできません。
そのうえで、資料に書かれている「骨折などの可能性があるサイン」を紹介します。

  • 指が、ふつうでは考えにくい方向に曲がっている(変形している)
  • 指を動かせない、または激しい痛みがある
  • 指が、ふだんの2倍以上に腫れている。
    内出血がある
  • 数日たっても痛みや腫れが引かない

これらは、医師が監修する医療情報サイト「病気スコープ」に書かれている内容です。
同じサイトでは、突き指は湿布で治ることもあるが、骨折は湿布では治らないとも説明されています。

「マレット指」という突き指もあります

日本整形外科学会は、指先の第1関節が木づちのように曲がった状態を「マレット変形(槌指)」と説明しています。
ボールなどが指先に当たったときに起こりやすい、突き指の一種です。

  • 第1関節が曲がったまま戻らず、痛みや腫れがある
  • 自分の力では伸ばせないが、ほかの人が手伝うと伸ばせる

伸ばすスジ(伸筋腱)が傷ついて起こるタイプと、第1関節の中の骨折で起こるタイプがあります。
どちらなのかを見分けるには、レントゲン検査が大切だとされています。
腱のタイプは装具などを使う方法が一般的で、骨折を伴うタイプは手術が必要になることがある、と書かれています。
どの治療になるかは、整形外科の医師が決めます。

家でできること:その場の応急処置

福岡市の資料(応急処置の講義スライド)では、昔と今の応急処置が比べられています。

  • 一昔前:突き指したら指を引っ張る、痛いところを揉む
  • 現在:RICE処置、テーピング、自己整復はしない

「引っ張って治す」は、今はすすめられていません。
痛がっているときに、無理に動かしたり、引っ張ったりしないようにしましょう。

RICE処置の中身は、「病気スコープ」では次のように紹介されています。
突き指か骨折かを判断する前でも、応急処置としてやることは同じだそうです。

  • R(安静):けがした指を動かさず、休ませる
  • I(冷却):氷のうや保冷剤で冷やす
  • C(固定):テーピングや添え木などで固定する
  • E(挙上):けがした部分を心臓より高い位置に上げる

湿布やコールドスプレーは、使い方に注意が必要だと福岡市の資料に書かれています。
使うときは、薬剤師や医師に確認してください。

練習との付き合い方

痛みがあるのに練習や試合を続けると、見逃された骨折や腱の損傷が悪化することも考えられます。
まずは練習から外して冷やし、固定して、様子を見ましょう。
復帰の時期は、診察を受けた場合は医師の指示に従ってください。

病院に行く目安

  • 指が変形している、変な方向に曲がっている
  • 指を動かせない、激しく痛む
  • 通常の2倍以上に腫れている、内出血がある
  • 指先の第1関節が曲がったままで、自分で伸ばせない
  • 痛みや腫れが続いている、動かすと引っかかる、動かしにくさが残る

日本手外科学会のQ&Aでは、痛みが引かない突き指は早めに医療機関を受診するよう書かれています。
重症のものもあるため、できれば手外科専門医のいる病院が望ましいとされています。
日本整形外科学会も、整形外科で診察を受け、レントゲンや超音波検査で診断してもらうことをすすめています。
早く正しく診断されないと、適切な治療の時期を逃すおそれがある、とも書かれています。

保護者ができること

  • 「突き指だから大丈夫」と言わない。まず指の形と、動かせるかを見る
  • 引っ張らない、揉まない。冷やして、動かないように固定する
  • 子どもの「大丈夫」をそのまま信じすぎない。試合中は我慢してしまうことがあるため、終わってから指をもう一度見る
  • 迷ったら整形外科へ。レントゲンで確認すると安心できる

よくある質問

Q. 指を引っ張って治してもいいですか?
A. 福岡市の資料では、現在の応急処置として「自己整復はしない」とされています。
引っ張る、揉むは一昔前のやり方として紹介されています。

Q. 湿布を貼っておけば大丈夫ですか?
A. 突き指は湿布で治ることもあるものの、骨折は湿布では治らないと医療情報サイトに書かれています。
腫れや痛みが強いときは、湿布で様子を見るだけにせず、整形外科で相談してください。

Q. 病院は、整形外科でいいですか?
A. 日本整形外科学会は、整形外科での診察をすすめています。
重症のこともあるため、できれば手外科専門医のいる病院が望ましいと日本手外科学会が書いています。

まとめ

  • 突き指は、骨折や腱の損傷などを含む「指のけがの総称」。
    軽く見ない
  • 応急処置は、引っ張らずに、安静・冷却・固定・挙上(RICE)
  • 変形、動かせない、強い腫れや痛み、第1関節が伸ばせないときは、整形外科へ

参考資料

この記事は、上記の資料をもとに、保護者の方向けにわかりやすく書き直したものです。
痛みや不安があるときは、医療機関で相談してください。

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