水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート 親子アスリート支援
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――最新研究と日本の2025年指針で読み直す親子の“給水ルール”

「1日2リットル飲めばOK?」 「運動中はスポーツドリンクでしょ?」

――そんな“当たり前”と思われていた水分補給の常識が、いま見直されています。

実はこの数年で、国際基準・最新研究・日本のスポーツガイドラインがアップデートされており、ジュニアアスリートこそ「正しい給水」がパフォーマンスを左右する時代になっています。

本記事では、育成年代の親子に向けて、水分補給にまつわる6つの誤解を解説しながら、2025年版の“夏の給水ルール”をわかりやすく紹介します。

「なんとなく飲む」から「考えて補給する」へ。

親子で一緒に、“強くなる水分補給”をアップデートしていきましょう!

 

はじめに|「軽い脱水」が招くパフォーマンス低下

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

体重の 1〜2% が水分として失われるだけで、判断力・反応速度・気分が有意に低下することが、国際スポーツ栄養学会(ISSN)2024年報告でも確認されています(ISSN 2024)。

小中高生は体温調整能力が未熟であり、特に暑熱環境下では成人より脱水の影響を受けやすい(文部科学省・スポーツ庁 2025年度「熱中症白書」より)。

体重減少(%・体重)換算表.pdf

体重減少(%・体重)換算表

 

誤解①「誰でも1日2L」→ 体重と環境で変わる

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

目安 計算式 具体例(35kgの中学1年)
起床〜就寝の総量(食べる給水含む 体重×35ml(涼しい日)〜体重×50ml(猛暑・部活日) 1.2〜1.8 L
運動前 体重×5mLを60分前 175mL
運動中 WBGT28℃未満:20分ごとに150mL
WBGT28℃以上:15分ごとに200mL

出典:日本スポーツ協会「暑熱対策ガイドライン2024」
アメリカ小児学会(AAP)「Youth Sports Hydration Position Statement, 2023」

 

誤解②「喉が渇いたら飲めばいい」→ 尿チェックが確実

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  • 目安は2〜3時間おきに排尿
  • 尿の色は「レモンティーより薄い」がベター
  • 午後に濃い色が続く場合250 mL ずつ追加

出典:National Institute on Aging(NIA)2023年研究報告「加齢と脱水の関連性」
Carter et al. (2019)「Mild dehydration impairs mood, memory and brain performance in healthy young adults」

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

脱水度チェック表 尿の色

 

誤解③「水分は飲み物でしか摂れない」→ “食べる給水”が半分

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厚労省「日本人の食事摂取基準2025年版」によると、日本人の平均的水分摂取のうち約51%が食事由来とされています。

★夏のおすすめ5選★(水分率)

  • スイカ:92%
  • キュウリ:96%
  • トマト:94%
  • ヨーグルト:85%(電解質+たんぱく質)
  • ココナッツウォーター:95%(天然の “スポドリ”)

出典:Dietary Water Intake and Hydration Markers: NHANES 2009–2018, Nutrients (2023)

 

誤解④「一気にがぶ飲みすればOK」→ こまめ補給+塩分

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

水の一気飲みは、稀に運動誘発性低ナトリウム血症(EAH)を引き起こす可能性があります。

これは体内のナトリウム濃度が過剰な水分摂取によって低下し、錯乱・吐き気・けいれんなどを伴う危険な状態です。

運動中は Na 500〜700mg/Lを含むドリンクを使い、15〜20分おきに100〜200mLが推奨されます。

出典:Winger et al., Clinical Journal of Sport Medicine (2023), AAP Sports Committee Review 2024

 

誤解⑤「コーヒーやお茶は脱水する」→ 適量なら水分源になる

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

カフェイン入り飲料が脱水を引き起こすという誤解は、近年否定されています。

  • カフェイン摂取3mg/kg以下では、有意な脱水作用はない(Armstrong LE et al., 2023年レビュー)
  • 中高生は1mg/kg/日を上限に摂取管理が推奨(文科省・健康指導2025)

つまり、水・お茶・麦茶・炭酸水などをうまく組み合わせてOK。

ただし子どもはノンカフェイン飲料を基本にしましょう。

 

カフェイン含有量|代表的な飲料の比較

飲みすぎに注意!

子どもやジュニアアスリートにとっては「知らないうちに摂っていた」なんてことも。

以下の表を参考に、日常の飲み物をチェックしてみましょう。

飲み物 1杯あたりの量(目安) カフェイン含有量
コーヒー(ドリップ) 150 mL 約90 mg
エスプレッソ 30 mL 約60 mg
紅茶 150 mL 約30 mg
緑茶(煎茶) 150 mL 約30 mg
ウーロン茶 150 mL 約20 mg
玄米茶・ほうじ茶 150 mL 約10 mg
コーラ 350 mL缶 約35 mg
エナジードリンク 250 mL 約80〜120 mg
カフェインレスコーヒー 150 mL 約3〜5 mg
麦茶・ルイボスティー 150 mL 0 mg(ノンカフェイン)

※注意:カフェイン感受性には個人差があります。

特に子ども、妊婦、睡眠に影響を受けやすい方は摂取量に注意しましょう。

 

誤解⑥「運動中は必ずスポーツドリンク」→ 強度×時間で使い分け

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

運動条件 推奨飲料 理由
60分以内/軽〜中強度 水+塩タブレット 糖分過多を防ぎつつNa補給
60分超/高強度 スポーツドリンクor電解質パウダー溶解水(Na 500〜700mg/L 発汗量増への対応
夏場の合宿・試合連続日 朝食時にスープ・味噌汁追加 失われるカリウムも同時補給

出典:Academy of Nutrition and Dietetics Position Stand on Hydration (2024年改訂)

 

運動条件別|最適な水分補給とナトリウム(Na)戦略

発汗によって失われる水分と電解質を正しく補うことは、パフォーマンス維持・熱中症予防の要。以下に、運動強度・時間・環境に応じた推奨飲料を紹介します。

🚶‍♂️ 60分以内の軽〜中強度運動
  • 推奨飲料:水+塩タブレット(Na含有)
  • 理由:糖分過多を避けながら、汗で失われるナトリウム(Na)を補給

 

🏃‍♀️ 60分超の高強度運動
  • 推奨飲料:スポーツドリンク or電解質パウダーを溶かした水
    (目安:Na 500〜700mg/L
  • 理由:発汗量の多い状況では水だけでは不足。ナトリウム濃度を適正に保つことで、血中の電解質バランスを維持できる。
    一般的なスポーツドリンクでも一定の補給効果はあるが、「濃度がやや低め」な製品もあるため、必要に応じて電解質パウダーで調整してもよい。
🌞 夏場の合宿・試合が連続する時
  • 推奨飲料(朝食時):味噌汁 or 野菜スープ
  • 理由:ナトリウム+カリウムの同時補給で、筋肉の収縮・神経伝達を正常化

 

🍙 補助食品としての「梅干し」活用
  • 推奨タイミング:おにぎり・水分補給時に一緒に
  • 理由:梅干し1個(約10g)に約800〜1000mgのナトリウムを含み、
    発汗後の迅速な塩分補給に優れる。加えて、クエン酸による疲労回復効果も期待できる。

 

🔍 代表的な飲料・食品のナトリウム(Na)含有量比較

飲料・食品名 ナトリウム含有量 備考
経口補水液(OS-1など) 約575mg / 500mL Na濃度 1150mg/L
スポーツドリンク(ポカリスエット) 約250mg / 500mL Na濃度 約50mg/100mL
スポーツドリンク(アクエリアス) 約225mg / 500mL やや低Na設計
電解質パウダー(製品により異なる) 約500〜700mg / L 濃度調整可
味噌汁(1杯) 約600mg / 1杯(150mL) 朝食での活用に最適
梅干し(1個/10g) 約800〜1000mg 天然のNa補給源+クエン酸で疲労対策

※市販のスポーツドリンク(例:ポカリスエット、アクエリアスなど)はNa濃度が約50mg/100mL前後とやや低めの設計です。
激しい発汗がある日は、電解質パウダーや梅干しなどで塩分を調整するとより安心です。

 

📌 補足|なぜナトリウム(Na)が重要?

前述したように、汗で失われるナトリウムは、体温調節・筋肉の動き・神経伝達に関わります。

水だけの補給では低ナトリウム血症を引き起こすリスクも。

特に成長期アスリートは、意識的に「塩分+水」のセット補給が必要です。

 

親子で出来る“給水ループ”チェックリスト

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

  1. 起床後すぐ:コップ1杯(200 mL)
  2. 朝食+果物:+200 mL
  3. 登校前:水筒に氷+レモン1/8カット
  4. 授業間休み:一口ルール(担任と共有)
  5. 部活1時間前:体重×5 mL
  6. 部活中:WBGTに応じた15〜20分給水
  7. 帰宅後30分以内:体重減少×1.5倍の水+塩で補給
  8. 夕食時スープ:塩分+カリウム
  9. 就寝30分前:100 mL(夜間トイレ対策)

 

まとめ|「飲む」「食べる」「計る」が3本柱

水分補給の6大誤解を​ジュニアアスリート目線でアップデート

  • 飲む:体重・WBGTで“自分の必要量”を把握
  • 食べる:水分豊富な食材で+20〜50%
  • 計る:尿色・体重変化でセルフチェック

この3ステップを習慣化すると、集中力の持続・筋けいれん予防・体温管理 が劇的に安定します。

夏の大会シーズン、親子で楽しく“給水アップデート”を始めてみてください!

水分補給は、ただ「のどが渇いたから飲む」だけの行動ではありません。

「飲む・食べる・計る」の3ステップを日常に取り入れることで、集中力・持久力・リカバリー力に差が出てきます。

暑い夏を乗り切るだけでなく、ケガや体調不良のリスクを減らし、ベストパフォーマンスを発揮するための準備として、ぜひ今回の内容を親子で話し合いながら実践してみてください。

正しい水分補給は「体の土台づくり」

一緒に、未来のステージに向かって強い身体と習慣を育てていきましょう!

 

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